攻めのスタイルと代表選手

持ち味を生かした走りを見せる選手を分析するのも、強くなるためには大切なこと。トップ級レーサーも、自分の武器となるスタイルを確立していることが多いのです。

コーナリングは先行車を抜くチャンス!

6周で終わるオートレースは先行車を抜くチャンスが限られていますが、絶好のチャンスは減速・加速が顕著なコーナーに差し掛かったときです。

コーナーに差し掛かる動作をそれぞれ「突っ込み」と「立ち上がり」と呼びます。なお、コースの構造上第1・第3コーナーで減速して、第2・第4コーナーでは加速します。

突っ込み

直線コースから第1・第3コーナーに入る「突っ込み」。これは減速動作です。ここでは車体の傾斜角や位置取りの判断が重要です。

立ち上がり

第2・第4コーナーから直線コースに出て行く、いわゆる加速動作のこと。たいていはここでアウトに出て速度を上げていきます。

主に「突っ込み」と「立ち上がり」が、ライバルを抜くための駆け引きが加速する場面です。
どのように攻めていくのかがオートレースの見どころでもありますね。

攻めのスタイル別・選手紹介

ここでは、走りが特徴的で参考になる選手を、攻めのスタイル別にまとめます。

スタート速攻

いわゆるスタートダッシュ。大時計の針が0になってから、選手が各ハンデ線から離れるタイミングのことを「スタートタイミング」と呼んでいて、スタート力の目安にもなります。

有吉辰也選手(25期)

「カミソリスタート」と称されるスタート速攻を持ち味としている選手です。
抜群のスタート力で試走タイムがあてにならないような粘り強い走りをすることも。

まくり

先行車を外側から一気に追い抜くこと。
新人選手によくみられる走り方ですが、トップ級の選手でも「まくり」を得意としている選手がいます。

角南一如選手(27期)

アウトしか使っていないというわけではないものの、アウトコースからの「まくり」を炸裂させることが多い選手。イン攻めも交える多彩な捌きで快勝することも。

切り返し

先行車の後ろ、外側に併走するように突っ込んできた車が、内線から離れた瞬間に内側から追い抜くテクニック。
先行車がグリップを開けて内線から離れたところで、すばやくグリップを絞り、内側から追い抜きます。

永井大介選手(25期)

2020年には史上10人目の100V(優勝回数100回)を達成した永井選手。トップ級なので重ハンデからのスタートになることが多いですが、切り返しや速攻を得意とする選手で、100Vを飾ったレースでは最重ハンデでした。

インベタ

インコースを守り続ける、ライン取りの手法。最短距離を走行し続けることができます。

穴見和正選手(12期)

「インベタ」の代表的な選手。直線距離ではややアウトコースにしてスピードを出すのが一般的な手法ですが、穴見選手は直線でもインを走るし、まくられない程度のスピードも持ち合わせていて、他の選手と一線を画す独特な走り方をすることで有名です。
イン走法を貫いていることから『内線のガードマン』という愛称がついている選手ですね。

まとめ

走行すると一言で言っても、選手によって攻めのスタイルが違っているので、走るコースも違ってきます。

イン走行が得意な選手をどう抜くのか、アウト走行が得意な選手に抜かせないにはどうしたらいいのか…自分の得意・不得意を知り、ライバルの攻めのスタイルを「知る」ことが、レースで勝つためには必要です。

攻めのスタイルを頭に入れながら、レースを分析してみてくださいね!