「夢はオートレーサー」を実現した選手たち

道半ばで諦める人も多い過酷な戦場、それがオートレースです。しかし、そんな厳しい状況の中でも夢を諦めず、夢を勝ち取った選手もいます。

ここでは、「オートレーサーになりたい」と宣言し、実際に夢を叶えて見せたカッコイイ選手をお二人、紹介します!

森 且行 選手(25期)

子どもの頃からの夢だった「オートレーサーになる」を有言実行した選手としては、もっとも有名な方ではないでしょうか。

1996年にSMAPを脱退後、「日本一のレーサーになりたい」と宣言してオートの世界に飛び込み、トッププレイヤーとして活躍している選手です。

残念ながらSMAP時代の森選手は知らないのですが、人気アイドルとして絶頂期にいたにもかかわらず、積み上げたものをすべて0にしてオートレースの世界に飛び込むのは、並大抵の覚悟ではできないことだっただろうと思います。

養成所の訓練中には左股関節脱臼骨折の重傷を負いましたが、入院・リハビリを経て1997年に選手登録。デビュー戦では1位を飾りました。

デビュー2年目には新人王戦、7年目にはG2を制し、13年目にはG1を制覇。G1で勝利を飾った年には川口オートでランキング1位に輝くなど、破竹の勢いで勝利を勝ち取っていくトップレーサーに成長しました。

そしてデビューから24年目の2020年11月3日、川口オートで開催された「SG第52回日本選手権オートレース」で、なんと悲願の優勝を勝ち取りました。

SG競走は、オートレース界のダービー的なレース。SGで優勝することは実力において日本一のレーサーといっても過言じゃありません。

「オートレーサになる」という夢だけでなく、「日本一のオートレーサーになる」という夢まで叶えた選手。生涯獲得賞金は6億円を超え、今なおオートレース界で輝いている選手です。

木山 優輝 選手(33期)

小学生の時からオートレースを観ていたという木山選手も、「オートレーサーになりたい」という夢を見事に叶えた選手のひとりです。

出身は飯塚オートレース場の近く。初めてオートレースを観たときに走っていたのは、S級トップレーサーの浦田信輔選手だったそうです。そこで、最後まであきらめない粘り強い走りを見せる浦田選手の大ファンに。オートレース好きの家族に連れられてオートレース場に通ううちにその魅力にハマり、「オートレーサーになりたい!」と決意したそうです。

33期として卒業後、ずっと大ファンだった浦田選手と同じ整備(ロッカー)グループに配属されました。デビュー後も順調に勝利数を伸ばしており、今後が楽しみな選手です。

SG優勝戦で浦田選手との対決を見る日も、そう遠くないかもしれません。