オートレース用バイク「競走車」について語る!
「競走車」は、オートレースのために作られた専用の二輪車のことです。
オートレース用のバイクには計器類がないですし、エンジンをかけるためのセルモーターも始動キックペダルもありません。なので、エンジンは押しがけなんですよね。
こういう特性もあるので、競走車を知らない人がチラ見すると「ちょっとゴツめの自転車かな?」って思うかもしれません。他のトラックレーシング用のバイクともちょっと違いますし…。
でも、この形にはちゃんと意味があるんですよ。
せっかくなので、オートレース専用の競走車について語らせてください!
ブレーキがない?
普通のオートバイとまったく違う部分といえば、やっぱりブレーキがないところですね。フラットトラックやスピードウェイのバイクもそうなんですけど。
オートは近距離で競うレースなので、ブレーキがついているとむしろ危険なんです。
いきなり止まると落車しちゃうかもしれないですし、たとえ自分が止まれたとしても後続車が避けきれずに追突事故を起こす可能性もあります。
あ、でも厳密にはブレーキがないわけじゃないんですよね。競走車のキャブレターはスロットルバルブ(シャッター)が完全に閉じます。つまり、かなり強力なエンジンブレーキがかかるってことです。
ハンドルの高さが違う!
これもパッと見て気になるところではないでしょうか。
オートレース専用のオーバル(楕円)コースは常に左回りです。レースでは常に左に傾きながら走行するので、左ハンドルをあえて高く作ってるんですよ。リーンアウトしているときでもハンドルが路面と平行になるから安定して走れるように設計されています。
オート専用エンジン「セア」
オートはエンジンも特殊で、レースのために開発されたスズキ製のAR600(1級車)を使います。オートは600ccが基本ですが、デビューして2年目以内の新人だったら、排気量の小さめのAR500(2級車)を使うんですよ。レース中は時速150kmくらいは出るといわれています。
オートで使う専用のエンジンは、Super Engine of Auto Raceの頭文字を取って「セア」って呼ばれています。セアはレースの過酷な環境に耐えてくれますし、選手の操縦技術にスピードで応えてくれる優秀なエンジンです。セアの調整が勝敗の行方を握るとも言われています。
独自のサスペンション構造
競走車のサスペンション構造も独特です。フロントはテレスコップ形式のフォーク、リアはリジット。タイヤに横滑りが起きても、マシンを操縦しやすいように作られているんですよ。
まとめ
オートレースはトラックレーシングですが、他のトラックレーシング系のバイクと比べても特殊な構造をしているのが競走車です。ですが、その特殊な構造ひとつひとつにちゃんと意味があるのもたしかです。
もしオートレースを観戦する機会があったら、バイクの違いにも目を向けてみてくださいね!