バイク熱がフルスロットル!バイクが出てくるおすすめ小説

時おり台風が多くなる秋には、ツーリングができないこともしばしば。そんなときには、「読書の秋」に乗っかって、ゆっくり読書をしてみるのもいいものです。

とはいえライディングはしたい! そんな時にはバイクが出てくる小説を読んでみるのもいいかもしれません。じっくり腰を据えて読めば、次に走る日が待ち遠しくなること間違いなしです!

時々、風と話す(原田 宗典)

バイクと恋愛をテーマにした短編小説集です。無骨な男性とクールで自由奔放な女性による駆け引きは、甘さはひかえめでちょっぴり鉄分を感じるほろ苦さ。

書かれたのが平成初期なので、その時代のノスタルジックな雰囲気も堪能できます。

1つ1つの話が短いので、ツーリング中の休憩時に読むのもおすすめです。

千マイルブルース(山田 深夜)

こちらもバイクに関する短編集です。20年つづけたサラリーマンを退職し、かつて捨てた故郷にバイクで向かう男性の旅を描いた物語。作者は実際にサラリーマンを辞めてバイク関係の小説をしたためており、著者自身が投影されたエッセイ風の小説と言えるのかもしれません。

不器用な男の生き様と、その旅路がアウトローへの憧れを煽り、すぐさまバイクで放浪したくなる刺激たっぷりなオムニバス。

ラストラン(角野栄子)

主人公は、なんと74歳の女性!
(とはいえ、現実には75歳までオートレースを続けた選手もいる。事実は小説よりも奇なりとはこのことかも…)

死期が近づいていることを悟った女性が、人生最後の「ラストラン」のため、東京から岡山までのツーリングをする話です。岡山まで行くのは、そこが幼少期に亡くなった母親の故郷だから。

こちらの小説はちょっとしたファンタジー要素も含まれている軽やかな小説で、子どもでも楽しめる一冊ではないかなと思います。心温まるエピソードが並びながらも、自分を貫き続けるおばあさんライダーの姿に胸を打たれ、「年を取ってもバイクに乗り続けたい」という気持ちを新たにしてくれる小説です。

まとめ

バイクで走り回るのも楽しいですが、たまには腰を据えてじっくり物語の世界に浸ってみるのも、バイクの楽しみ方の形です。

バイクが楽しくて仕方がない人にはもちろん読んでもらいたいですが、バイク熱が下火になっているときにこそ、物語が胸に染みるもの。

バイクの楽しさ思い出させてくれる物語、バイクに乗れる幸せをかみしめることができる物語、バイクを題材にした小説はもっとたくさんあります。

小説を読んでみたら、もっとバイクが好きになるかもしれません。
ツーリングのお供に、バイク小説はいかがでしょうか。