オートレーサーになるには
オートレースは競輪・競艇・競馬と並ぶ公営競技のひとつ。プロの選手が二輪の競走車でスピードを競うバイクレースです。川口、伊勢崎、浜松、山陽、飯塚の5ヶ所にレース場があります。
オートレーサーの入り口
オートレースの選手になるには、2年に1回行なわれる「選手養成所入所試験(選手候補生選抜試験)」に合格して、約9ヶ月間の教育課程を修了する必要があります。その後に「選手資格検定試験」を受けて合格することではじめてオートレース選手として登録されるんです。
オートレーサーになるためには、少なくとも以下の条件を満たしている必要があります。
- 満16歳以上
- 運転免許証を持っている(原付でもOK)
- 体重60kg以下
- 両眼とも裸眼視力0.6以上、色覚に異常が無い
- バイク・スポーツ経験者には特例制度がある
昔は年齢・身長・性別の制限が厳しかったのですが、今では多くの制限がなくなっていて、年齢・身長・性別を問わず受験しやすくなりました。30期には50代の方がエントリーされたこともあります。
年齢の上限がないのは、公営競技では珍しいことです。
例えば、競艇をするボートレーサー養成所には、15歳以上30歳未満という年齢制限があります。オートレース養成所の合格者の平均年齢は23歳だそうですが、年齢設定に上限はありません。
女性の入学も認められるようになって、31期には佐藤摩弥選手が44年ぶりの女性オートレーサーとして活躍しており、2013年には女子オートレース選手史上初となる優勝を飾りました!
デビューの後
約9ヶ月の訓練を終えて選手資格検定試験にも合格したら、レース場に配属されてデビューします。
オートレースは実績に応じてハンデがつけられて、スピードが速い選手ほど後ろからのスタートになるんですが、ハンデがあってもそう簡単に結果を出せる世界じゃありません。
オートレーサーは成績によってS級、A級、B級に分けられ、6ヶ月ごとにランクの更新があります。S級は上位48名の狭き門。A級が272位まで、残りはB級になります。オートにも「新陳代謝制度」があるので、成績が悪いと引退しなくてはいけません。
平均年収と選手寿命はどれくらい?
オートレーサーの年収はピンキリですが、平均年収は1,300万円ほど。ちなみに競艇は1,600万円程度、競輪は1,000万円程度だそうです。
他の公営競技と比べても安くはないですが、オートの選手寿命は他と比べるとかなり長いんです。バイクレースなので体力よりも操作や車両整備といった技術のほうが大切な競技だから、とも言われています。
そのぶん危険も伴いますが、もし20歳でオートレーサーになった場合、現役としてやれる期間は30~40年だそうです。
谷口武彦選手が引退されたときの年齢は75歳でしたね。オートの選手寿命が長いといっても75歳まで走り続けたのは異例でした。
まとめ
オートレースは命懸けの世界です。養成所の訓練が厳しいのも、一瞬の油断が命取りになってしまうからです。オートレースには夢や憧れが詰まっていますが、選手としてそこに立つのであれば、相当の覚悟がないと生き残れる世界であることも確か。養成学校でも選手試験でも、覚悟を持ってやり抜くことを忘れないようにしたいですね。